小さく強いチームで専門性の高いDX・防災プロジェクトを推進する実行型のIT会社、ワークログ。コロナ禍以降、防災領域のプロジェクトに深く関わり、国の事業や医療・自治体関連の取り組みにも参画しています。
今回はその代表、山本純平さんに、リクライブ編集長の二宮がインタビュー。「山本純平オフィシャルサイト」の公開の背景とプロセスを振り返りました。コーポレートサイトではなく個人サイトを制作する理由は一体…。
| 社名 |
ワークログ株式会社 |
| 契約プラン |
オフィシャルサイトサイト制作・運営/Podcast運営/動画制作 |
| 地域 |
東京など |
| 業界 |
IT |
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山本純平さん(ワークログ株式会社 代表取締役)
1987年生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科を修了後、司法書士を目指すも不合格。1年のフリーター活動を経て不動産会社に就職。月間200時間を超える残業で圧倒的なパフォーマンスを出し1年でマネージャーに昇格と同時に退社。2社経験した後、ワークログ株式会社を創業。『テクノロジーでアソボウ。』をビジョンに掲げ、個人主体で社会に変革を起こすことを目指す。特にコロナ対策や能登半島地震など、防災DXの分野に強みを持つ。
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二宮(リクライブ編集長)
デザイン系の大学を卒業後、デザイン事務所、ブランディング会社でデザイナー・ディレクター・役員の経験を積む。2020年からリクライブの立ち上げに携わり、リクライブ責任者に就任。2年で450本以上の採用動画制作に関わり、動画のMCとして企業の魅力を引き出すことが強み。
- 山本さん、こんにちは。公開しましたね。山本純平オフィシャルサイト。
- しましたね。
- 今日聞きたいのは、なんで個人のオフィシャルサイトを作ったのか、何を考え、どうしたいのか。今日忙しかったようですよね、この時間打ち合わせあったの避けてもらったんでしたっけ?
- 避けました。
- すいません、ありがとうございます。で、ちょうど昨日でしたっけ、Facebookで公開しましたみたいな投稿してましたよね。
※実際の投稿内容
- どうですかね、まずは公開してみて。
- まだお仕事の依頼が来ないです。どうなってるんですか、リクライブさん。
- そんな…公開して1ヶ月経ってないですよね、しかもまだ大きく周知してない。だから今日の収録とこの記事で、こんなことを考えた、なんで会社ホームページじゃないのか、みたいな話を届けたいなと思ってます。
- 最初は仕事の内容を伝える動画でしたね。
- ワークログは広報とかPRみたいなところ弱くて、今までどうしてたかって言うと、僕が一生懸命頑張ってたんすよ。営業もそうですけど、その手前。ホームページの更新も、PR TIMESにリリース打ったり、Xの投稿とか、記事書いたりとか。僕が本当にたまにやってる感じだったんですよ。
- ただ、ワークログって会社が対外的にそんなにアピールできてないなって感じてて。うち4人しかいないちっちゃい会社の割には国の事業とか関わってるし、防災のこととかやってるし、稀有な会社なのにもったいないなと思って。そこをもう少しアクション打てればな、が一番最初。
- 正直、広報とかPRとしてまず何やるべきか全然分かってなくて。手段はいろいろあるじゃないですか。サイトもそうだし、動画とかSNSとか。どれが正しいかもよく分かんなかったんですけど、とりあえず何か動き出したいなってところで。
- で、最初動画だったのは何でだったかな。サイトは今のままでもいいかなとも思ってて、そこにコンテンツ増やしたいってなった時に、動画作るか、って。記事だったら自分でも書けるし、違う一手を打ちたくて。
- 初めて会った時、noteとかやってたじゃないですか。会社ホームページのニュース欄にも、ブログとニュースいっぱい書いてた。情報はあったはずで。改めてやってることをちゃんと伝えたい、客観的に取材してほしい、みたいな話だったと思うんですよ。
- 動画をつくった目的も2軸でしたよね。周知だけじゃなくて、採用と、新しい繋がりや仕事につながること。
- そうでしたね。
- ただ今日は動画よりホームページの話。最初提案してほしいって言われた記憶があって、僕が勝手に資料作ってデザインも作って送ったんですよ。
当時のメッセンジャーがあった!すごいな「金づる」って…
- あの時、僕も悩んだし、山本さんも「別にリニューアルしなくてもよくない?」みたいなテンションになった記憶があって。あの時の意思決定ってどんな感じだったんですか?
- サイトは何か刷新したいな、はあったんですよ。5年ぐらい経ってて。当時作った時ってちょうどコロナが始まった頃で、まだ防災の色がそんなについてなかった。
- サービス概要も「受託の開発やってます」ぐらいしか言えなくて。今のサイトは「僕と藤田(ワークログのCTO)がいるよ」だけをアピールしたくて。そこから先は普通の受託開発のサイトとそんな変わらない。実績を頑張って作って載せていく、頑張り次第だったのを、防災の色が出てきたからサービス概要をブラッシュアップしたい、がまずきっかけ。
公開して5年経ったワークログのコーポレートサイト。山本さんと藤田さんの2人の会社感がすごい。
- ただ悩ましかったのが、防災の仕事だけじゃないし受託もやってるし、防災の色を全面に出しちゃうと、それ以外の実績どう出すか分かんなくなる。僕は防災が多いけど、CTOの藤田はいわゆる受託開発中心なので、両方同じサイトに載せると混沌としてくる。2人なので別次元で動いてる感じがあって、一緒にやってるプロジェクトを2人で、ってあんまり色がなかった。
- だったら山本さんのページだけ作りますか、って。オフィシャルサイトっぽい感じですよね、みたいな。
田中理恵さんのオフィシャルサイトの衝撃と新しいキャッチコピー「カオス整備屋」
- そこでオフィシャルサイトをいろいろ調べてたんですけど、田中理恵さんっていう方のホームページを見て衝撃を受けてて、すごい綺麗で。こんな感じのやりましょうよ、みたいなことを言った記憶があります。
- 僕飛べばいいすか、みたいな。
- そのやり取りとか多分あると思う。
- (個人サイトのために)何度か取材したけど、基本よく分かんないからやりましょうか、みたいな。ふわっとポッドキャストの話になってたような。
- 今振り返ると、僕とかワークログのことを知ってもらいたくて、ポッドキャスト始めた記憶がある。
山本さんのことを知るために突然始まったPodcast番組「図ットモ」最初に二宮がつくった仮サムネ(左)。山本さんの反応は「笑」。対してリクライブのデザイナー鎌田さんにお願いして仕上がった最終サムネ(右)。反応は上々。
- 本来それは僕が取材しろよ、というところなのに、ちゃんとポッドキャスト番組の制作をご契約いただいて3ヶ月お試しで。そこで山本純平という人物像が徐々に見えてきて。プロジェクト対談も月1回ぐらい撮ってたから、仕事はこうやってるのか、みたいなのがよくわかってきました。
- そこで個人サイト、最初こんな感じでどうでしょう、ってぶつけたんですよね。
当時最初に作った山本純平のオフィシャルサイトデモページ。圧倒的素材不足。
- 個人のサイトをつくることに対してどう思ってましたか?
- 僕自身、元々会社のブランドを育てるイメージがあんまりなくて。個人で戦う、みたいな。僕、2代目で代表に就いちゃった時に一番悩んだのがビジョン。会社の将来を言語化して方向性目指す、とか書くじゃないですか。そこで会社のブランドと個人のキャリアのギャップみたいなのを感じて気持ち悪かった。
- 元々、肩書きとか会社のブランドで仕事するのが好きじゃなかったので、そこに自分の考えがまとまらない、集中して考えられない感覚があって。それで会社の理念を「日本一無名な会社になる」にしたんですよ。橋本環奈さんって有名だけど、どこの事務所かみんな知らないよね、みたいな。それが個人が目指すべきキャリアだと思ってて。山本純平が防災の仕事やってるらしい、そいつワークログって会社にいるらしい、の順番で認知してほしい。だから会社ホームページを作り込むんじゃなくて、個人のサイト立ち上げましょうよ、という提案は僕の中ですごくしっくり来ましたね。
- コーポレートサイトと完全に分けたのは大きいと思ってて。僕、箱を強化して組織を作る、みたいなビジネスが多かったから、最初あんまり分かんなくて…山本さんの考え方を理解するのに2ヶ月ぐらいかかったんですけどね。
- で、実際どうですか?個人サイトができてみて。
- 個人サイトになって動きやすくはなったと思いますよ。ワークログという視点を気にしなくていい。去年からデジタルコーディネーションセンターの理事にもなったので、そこでの活動とかはワークログに関係ないから載せるべきではなかったけど、今後は思い思いに書ける。個人サイトなんで。
- ワークログ(のコーポレートサイト)に載せると、仕事につなげよう、採用目線になっちゃう。社長として書いてる感じ。ビジョナリーに書かなきゃ、みたいな。
- ワークログという箱で考えると、そうなりますよね。
- せっかくなので「なぜ会社サイトをリニューアルせず、個人サイトを作ったのか」を聞いてみたいです。
- まず1つは、個人のキャリアにフォーカス当てているところ。
- うん。
- 2つ目は、会社を大きくすることにワクワクしなかった。受託開発やコンサルって人月ビジネスなので、会社を大きくするなら採用して仕事取ってきて、教育してマネジメントして…って方向になる。でもそこに意味を感じにくかった。売上が3倍になりました、採用人数3倍にしました、だから何?みたいな感覚がある。
- なるほど。
- もちろん取り組んでないのに言うのはよくないんですけど、フリーランスも多いし、案件に応じて発注すれば成り立つ。だから少なくとも受託を拡大して会社を大きくするイメージは持ってない。会社を大きくするのは、自社サービスがヒットした時だと思ってます。
- で、3つ目が。
- 100人、1,000人の会社を経営する器はないと思ってる。人望とか友達とか…って言い方はあれだけど、僕は10人ぐらいのチームが10個できる方がワクワクする。自分で100人を束ねるより、10人のチームが10個ある方が面白い。
- つまり、箱を大きくする前提じゃないから、会社サイトを“増築”するより、個人を立てる方が自然だった。
- そうですね。
“山本純平に発注したい”を作る。差別化は品質の先にある?
- 理想は「ワークログに発注したい」じゃなくて「山本純平に発注したい」ですよね。それを目指してブランディングしてるんですよね。
- 今ベースは作った。情報を貯める仕組みもできた。次は知ってもらう、リーチ。どこまで仕掛けるか。
- 仕掛けてください笑
- でも「できました、ドーン」だけじゃ最近人は感動しない。裏側の情報がどれだけあるか。面白い事例を届けに行って、学びあるものをSNSで出していく。情報発信すればするほど「この人に頼もう」って風潮を感じる。ベイジさんとか、1プロジェクトで1万字ぐらい振り返り書くじゃないですか。あれはやるべき。
- 結局これからキャラクターが生きてくると思ってて。
会社って基本、誰がやっても同じ品質を届けるのが価値で、教育を徹底する。でもそうじゃなくて「この人にお願いしたい」がバリューになってくる。開発って仕様が決まってたら誰が作っても同じ挙動。ソースコードなんて誰も見ない。だから山本じゃなくてもいいし、AIでも良くなる。
- たしかに。
- だから「山本純平に依頼したい」は、品質が前提の上で、コミュニケーションしやすいとか、こいつと仕事すると楽しいとか、そういう差別化が大きくなる。そのためにはポッドキャストや動画みたいなコンテンツが大事。記事も砕けた感じで書いてるけど、文字には限界があるから。
- 僕も同じで、実績を綺麗に並べるだけだと、上は山ほどいる。だから外に出るしかない。人が見える状態を作るしかない。でも会社でそれをやるのはしんどい。箱の中に個人が10人20人いて、ブログ書いても届きにくい。結局、Xで伸びてる人が総取り、みたいな空気もある。
制作の裏側。作って終わりじゃなく、「裏側」をどれだけ出せるか
- 理想は「ワークログに発注したい」じゃなくて「山本純平に発注したい」ですよね。それを目指してブランディングしてるんですよね。
- だからこの記事も、その第一歩にしたい。なぜ作ったのか、どういう順番でそこに行ったのか。今日話した内容を“綺麗にまとめておく”のは大事だと思ってます。
- だからこの記事も、その第一歩にしたい。なぜ作ったのか、どういう順番でそこに行ったのか。今日話した内容を“綺麗にまとめておく”のは大事だと思ってます。
このリクライブのトップページのデザインラフ。
- いいじゃないですか。
- 山本さんのサイト作りながら「あ、自分も作んなきゃ」ってなって。だから勝手にですけど、僕の考え方もちょっと変わったんですよね。ありがとうございます。
- いやいや。
- ということで、お時間ありがとうございました。これから認知拡大していく方法、また考えていきましょう。
- ありがとうございました。