ドラッグストアチェーンのツルハドラッグで採用を担当する穴井さん・森さん・山元さんに、リクライブ編集長の二宮がインタビュー。
採用サイトのリニューアル(新卒・キャリア・アルバイト/パート)を約2年かけて進めた背景から、公開後の変化、制作プロセス、そして今後の課題までを振り返りました。
| 社名 |
株式会社ツルハ(ツルハドラッグ) |
| 契約プラン |
採用動画制作/採用サイト制作・運営 |
| 地域 |
北海道・東北・関東・関西、海外に2,000店舗以上展開 |
| 業界 |
ドラッグストア・小売 |
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穴井さん
慶應義塾大学法学部卒業。1995年11月1日に前身となる浅山社会保険労務士事務所設立。その後2020年10月28日に社会保険労務士法人エフピオを設立。
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山元さん
専門学校日本ホテルスクール ホテル科を卒業後、ホテル業界でサービス業に従事。現場で培ったホスピタリティと調整力を強みに、2021年2月に入社。現在は経営管理として、会社全体を支えている。
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森さん
専門学校日本ホテルスクール ホテル科を卒業後、ホテル業界でサービス業に従事。現場で培ったホスピタリティと調整力を強みに、2021年2月に入社。現在は経営管理として、会社全体を支えている。
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二宮(リクライブ編集長)
デザイン系の大学を卒業後、デザイン事務所、ブランディング会社でデザイナー・ディレクター・役員の経験を積む。2020年からリクライブの立ち上げに携わり、リクライブ責任者に就任。2年で450本以上の採用動画制作に関わり、動画のMCとして企業の魅力を引き出すことが強み。
- 2025年2月に新卒向けサイトを公開して、ちょうど1年くらい経ちました。採用担当の皆さんの実感として、何か変化はありましたか?
- 穴井:明確な数字で大幅に増えた、というのは正直これからかなと思っています。でも「ホームページ見ました」って声が圧倒的に増えました。スーパーバイザーの動画を見ました、という反応もあって、嬉しいですね。
「店長以上のキャリアパスを見せたい」という意向で、スーパーバイザー(エリアマネージャー)の1日密着を実施。嘘偽りなく、朝早い出社時間から、20時ごろの退勤まで動画として届けた。
- 山元さん、総合職、東北側の実感はどうですか?
- 山元:採用強化の中で、先輩社員の動画を見て、動画に出ている社員の名前を面接で出してくれた新卒の方がいたりして、反応は感じています。
内定者アンケートでも、参考にしたコンテンツとして採用サイトを挙げる回答がしっかりあって、ちゃんとリアクションはあったのかなと。
- 森さんは薬剤師の採用担当ですよね。そちらはどうでしたか?
- 山元:私は札幌拠点で、学生を連れて薬局見学ツアーをするんですけど、「これ、映ってた店舗ですか?」って話が出たりして。見学に来る前に事前に動画を見てくれたんだな、って分かる瞬間がありました。動画で見たものを実際に見て「書いてあることは本当だった」と理解が深まる体験になっている感覚があります。
- 採用活動全体で、動き方が変わった部分ってあります?例えば説明の仕方とか。
- 山元:学生さんからの質問って同じようなものが多いんですけど、採用ホームページに伝えたい情報がギュッと集約できたので、この質問が来たらこの動画、このコーナーを見ておいてね、みたいに定型化できました。情報提供の方法が変わったのは大きいです。
- 森:あと、採用の公式LINEは登録してもらっていたんですけど、以前はあまり配信していなかったんです。採用ホームページができてから、月1回くらい動画を配信して、しばらく会ってない学生にも定期的にツルハを思い出してもらう使い方ができるようになりました。視聴数も確認できて、イベント配信の次の日に予約が入っていたりすると、刺さってるのかなという感覚もありました。
- リニューアルのプロジェクトが始まる一番最初に、直近5年ほど入社された社員を中心に社内アンケートを実施して進めましたよね。結果的に500名くらいまで回答をいただきました。
- 穴井:アンケートを取れたのはすごく良かったです。結果をもとに説明会資料を作り直したりもしました。
ツルハ採用サイトリニューアルにおける社内アンケート内容
- ・最初にツルハを知ったきっかけ
- ・最初に知ったときの率直な第一印象
- ・応募しようと思った理由
- ・他候補の企業があった場合、その会社のどこが良かったのか
- ・最終的にツルハに入社を決めた理由
- ・入社するまで気づかなかった会社の魅力
- ・転職/就職活動中に特に知りたかった情報
アンケート実施期間:2024年8月30日〜9月3日/回答数:450件/アンケート対象者:2022年〜2024年入社ツルハ社員/回答方法:Googleフォーム
- 上記のようにアンケートでは、入社理由は「給与待遇・知名度・事業の安定性」が多かった一方で、入社して良かったところは「人柄、教育研修、社風の良さ」みたいな声が多かったんですよね。だから、社風が見える密着動画を出したり、キャリアパスや研修の情報を厚くしたり、本音が見たいという声に応えて10名以上の社員インタビューを入れる企画を考えました。
- 穴井:人柄って口頭で伝えるのが難しいんですよね。動画で、スーパーバイザーの1日を撮り直しなしでリアルタイムに撮ってもらったのは、これ以上伝えられないくらい業務内容も人柄も出たと思います。興味を持ってもらえるツールになった感覚はあります。
- 山元:私も、先行過程で会える社内の人間って限られる中で、その不足を補うコンテンツとしてすごく良いと思いました。あと、社内アンケートの情報の整理やまとめも、そのまま説明会で活用できたので副次的な効果も大きかったです。
- リクライブの進め方はどうでしたか?
- 山元:ホームページを1から作るのが初めてで、あれも入れたい、これも必要、となりがちなところを、目的意識をぶらさずにコントロールしながら先導してもらった感覚が強いです。学生さんにとって何が一番分かりやすいかを考えるのは本当に難しかったので、そこを支えてもらいました。
- 森:動画の撮影でいうと、リアルを追求する努力がすごいなって思っていました。自分たちでお願いして撮ると、どうしても取り繕っちゃうんですけど、リクライブさんと撮ると、皆さんありのままの姿が出ていて。雰囲気を動画で伝えられたのはお願いしたからこそだなと感じました。
新卒採用ページを公開後、キャリア採用・アルバイト採用ページも追加。
- 新卒の次に、キャリア、アルバイト/パートと続けて作りました。キャリア採用の狙いって、改めてどこでした?
- 穴井:有資格者のキャリア採用が多くて、紹介会社経由が基本でした。でも費用も安くないので、ホームページを強化して直接つながる導線を増やしたい。求職者にも業務理解を深めたうえで選考に来てもらえれば、という狙いでした。
キャリア採用ページ(2025年9月公開)。実際に中途入社した社員インタビューを実施。転職時に必要だった情報を再設計し原稿と構成を作成。キャリア採用社員の対談動画「キャリア採用クロストーク」をフックに2万字以上の原稿でデザインに落とし込んだ。
- キャリア採用はミスマッチが起きやすい、というデータもありますよね。その点、コンテンツの手応えはどうですか?
- 穴井:業務内容や異業種からの転職者インタビューを載せているので、立場が近い人が共感できる内容になっていると思います。見た方には何か刺さるものがあるんじゃないかな、と。
- 山元さんは実際にツルハに転職した身として、出演していただきましたね。
- 山元:緊張はしましたけど、自分が転職するときに欲しかった情報は何か、という視点で参加していました。キャリア観点だけじゃなくライフプランにも関わるので、欲しい情報が得られるサイトに近づけた感覚はあります。
- キャリアページでは、年収アップやキャリアアップみたいな、普段は載せにくいワードもあえて出しました。判断としてはどうでした?
- 穴井:年収やキャリアパスの話はリアルだったので隠す必要はないと思いました。求職者が知りたいことにフォーカスできたと思います。
アルバイト、パート採用ページの追加(2026年2月公開)。ツルハで働くアルバイト・HB社員800名にアンケートを実施し、そこから見えてきたツルハで働くことの言語化を図った。また、アルバイトから正社員になった社員にインタビューを実施。ツルハ自身が気がついていない魅力を発見し、訴求ワードも多く拾うことができた。
- アルバイト・パートのページも、つい最近公開(2026年1月)しました。ここにはどんな思いがありますか?
- 穴井:アルバイトから社員登用ができるのはうちの良いところです。高校生で入って、ロングパートから正社員、店長になる人もいます。アルバイトから始まって資格を取って社員になる、別の道を目指せる母体がある。そういう例を打ち出せたのは大きいです。
- 山元:外に見せるだけじゃなくて、社内の人にも道しるべになる内容だと思います。ツルハで頑張ればこういう道が見える、って分かりやすい。
- 森:私も入社して、アルバイト出身で(社員に)応募してくる割合が少ないなと感じていました。ホームページが整っていること自体が、アルバイトにも気を使って体制を整えているというブランディングにもつながると思います。数字に直結しない効果も、これからじわじわ出てくるんじゃないかなと。
既存社員が見ても違和感がない “ツルハっぽさ” を表現。
- 従業員数が多い会社だからこそ、リニューアルの打ち合わせ当初から社員が見て違和感のない情報設計を大事にしてきましたよね。
- 穴井:応募者とのミスマッチを防ぐのが重要で、そのために業務の解像度や社風が見えることが大事です。完成したものを見ると、みんなツルハの社員だなと思える内容になっていて、“ツルハっぽさ”が出たと思います。
- 山元:私自身、(採用サイトリニューアルに)関わりながら“ツルハっぽさ”を学んでいきました。社内の人にも自信を持って見てほしいと言えるサイトになった感覚があります。
- 森:職種が違っても“ツルハっぽさ”はある、と動画の撮影を通じて感じました。私が薬剤師側の採用担当ですが、総合職で働かれている方とも接して「同じ志を持った人たちの集まりなんだ」とより実感できましたし、ツルハ全体を知れるというコンセプトをぶらさずに終えられたと思います。
アルバイト、パート採用ページの追加(2026年2月公開)。ツルハで働くアルバイト・HB社員800名にアンケートを実施し、そこから見えてきたツルハで働くことの言語化を図った。また、アルバイトから正社員になった社員にインタビューを実施。ツルハ自身が気がついていない魅力を発見し、訴求ワードも多く拾うことができた。
公開後に見えてきた新たな価値
- 最後に、公開後に感じた課題や、これから直していきたいことはありますか?
- 穴井:いいものは作った側が決めるんじゃなく、見た人の評価で決まると思っています。応募数が増えて、一歩踏み出してくれる人が増えるのがゴールです。採用サイトが、ドラッグストアの雰囲気や仕事を社会に発信できるツールになればいいなと。
- 山元:効果検証は、もう少し社内でちゃんとやるべきだと思っています。どこに影響があって、力を入れたところが影響していない可能性も含めて、見ながらブラッシュアップを続けたいです。
- 穴井:採用サイトは受けの媒体なので、求職者が調べて来ないとたどり着けない面があります。これからはSNSでこちらから知ってもらう施策も必要だと思っています。土台ができたので、今度は発信を成長させていきたいです。
- 受けの土台を作った次のステップとして、デジタルもアナログも少しずつ、人の目に触れる場所を増やしていく。その1年にしていければと思います。今日はありがとうございました。