人材サービスを軸に、全国で多様な事業を展開する株式会社ディンプル。採用活動の在り方を見直す中で、同社は「動画」を軸とした情報発信に舵を切りました。
今回はディンプル マーケティング本部の堀野さん、採用プロジェクトをともに推進してきた吉開さんに、リクライブ編集長・二宮がインタビュー。採用動画導入前の課題から、制作プロセス、そして具体的な成果までを振り返ります。
| 社名 |
株式会社ディンプル |
| 契約プラン |
採用動画制作 |
| 地域 |
全国 |
| 業界 |
人材紹介・人材派遣など |
-
堀野さん(株式会社ディンプル マーケティング本部長)
アパレル業界から人材サービス業界へ未経験で転職し、ディンプル歴は15年目。営業部長からマーケティング部門へ異動し、集客・人選の各グループを新設・組織をけん引し今に至る。
-
吉開さん(株式会社ディンプル デジタルマーケティンググループ長代理)
大阪出身。化粧品ECサイトの立ち上げ・サイト運営に携わった後、ディンプルに入社。主にBtoC向けのWEB周 りの企画・集客関連業務などを担当。
-
二宮(リクライブ編集長)
デザイン系の大学を卒業後、デザイン事務所、ブランディング会社でデザイナー・ディレクター・役員の経験を積む。2020年からリクライブの立ち上げに携わり、リクライブ責任者に就任。2年で450本以上の採用動画制作に関わり、動画のMCとして企業の魅力を引き出すことが強み。
- 最初のお取り組みから、もう3年近く経ちましたよね。最初の動画アップが2024年7月だったと思うので、振り返ると、社長インタビューからスタートして、副社長が社内を巡る動画、そして社員二名の密着動画も撮りました。採用は結構順調なんですかね。
- 堀野:まずは、おかげさまで採用自体は順調に進んでおります。2023年度から本格的に採用強化をし始めたんですけど、3年間で約150名ぐらい採用したので、逆に採用しすぎで今ちょっとストップがかかっているような状況です。
- リクライブ導入前、ディンプルさんの採用活動にはどんな課題がありましたか?
- 堀野:もともと、採用の9割以上をエージェントに頼っていました。2022年頃までは、それが当たり前だったんです。ただ、採用コストがかなり大きくなってきたことと、「このままでいいのか?」という感覚が社内にあって。2022年から2023年にかけて、社内でダイレクトリクルーティングのチームを立ち上げました。エージェント依存から脱却しよう、というのが大きなテーマでしたね。
- その中で、特に大きかった課題はどこでしたか?
- 堀野:一番は「会社の中身が伝わっていない」ことです。ディンプルって、規模も事業内容もそれなりには大きいんですが、求職者の方が調べても、「どんな会社なのか」「どんな人が働いているのか」が分かる情報がほとんどなかった。社風やカルチャー、働いている人の温度感を、入社前に見せる手段がなかったんですよね。
- 採用動画をつくることになったのは、どういう流れだったんでしょう。採用コンテンツをどういう順番でそろえていったのかが気になっていて。
- 堀野:ダイレクトリクルーティングという社内プロジェクトを進めていく中で、まず組織を作りました。次に、エージェント頼みではなくて自分たちで人を採用していかなければいけなかったので、複数のダイレクトスカウトのサービスを導入しました。
- 堀野:スカウトを入れたことで採用チャネルが増えたので、まずはATS(採用管理ツール)を導入して管理を整えました。その次に、一次面接で使う採用ピッチ資料を作って、面接官ごとに伝える内容がブレないようにしました。
- 堀野:そのうえで次の施策を考えた時に、SNSで情報発信するよりも、会社の雰囲気や事業内容をしっかり伝えられて長く使える動画の方がいいと判断して、採用に直結する動画活用を決めました。
- 制作会社を選ぶ中で、リクライブを選ばれた決め手は何でしたか?
- 堀野:正直、動画制作会社は山ほどありました。でも「台本なし」「一発撮り」というコンセプトが、逆にすごく印象に残って。不安もありましたよ。何も決めずに喋って、ちゃんとした動画になるのか?って。ただ、求職者に届けたいのは、作られた言葉じゃなくて、生の情報、本音。だからこそ、台本がないこと、一発撮りであることが、ディンプルの実態を一番正しく伝えられるんじゃないかと思いました。
採用動画への期待。社長と副社長の全く違うテンションの採用動画
- 今回の採用動画制作に期待していたことはなんでしょう?
- 堀野:別の他社さんの動画を二宮さんがよく見せてくださっていたので、アウトプットのイメージは非常にしやすかった印象があります。
- 堀野:ただ、キャラクターの強い社員が多いので、正直「暴走しないかな?」という不安はありました。でも、リクライブの制作実績を見ると二宮さんの質問の仕方やファシリテーションが的確で、伝えたいポイントからブレることなく、自然に深掘りされていた。「この会社は、こういう人たちが、こういう想いで働いている」というストーリーがきちんと見えるというのが、二宮さんに期待、信頼していた部分になるんじゃないかなと思います。
- 一番最初に着手したのが藤林社長のインタビュー動画でした。しかも流行りのショート動画ではなくて30分を超える動画で、経歴から人柄、事業についてしっかり触れるような内容になっていました。
- 堀野:当時は藤林のトップメッセージを必ず候補者に伝えるようにしていましたので、うちのトップが何を考えていて、どんな人か、というのを面接前に知れるのは、とてもいい情報だったんだろうと思っていますね。思いが伝わるいい動画になりました。
- 吉開さんは、制作現場にも立ち会っていましたよね。
- 吉開:最初の社長インタビューの時は、正直、私の方が緊張していました(笑)。でも、回を重ねるごとに慣れてきて、一発撮りだからこそ出る空気感があると感じました。市川の動画では、「本番に強い人って、こういうことか」と思いましたし、あの人柄がそのまま映像に出ていたと思います。
- その後に、市川副社長が社内を巡る、いわゆる雰囲気がものすごく伝わる動画も撮りましたよね。あれも人柄やキャラクター性がすごく濃く出ていたと思うんですが、あの動画はどうでしたか?
- 堀野:社長の藤林はとても紳士なキャラクターですし、市川副社長は真逆の方で、どちらかというと破天荒な感じというか、社内でもキャラが立っている方です。一度喋ってくださると、候補者の心をガッとわし掴みにするようなタイプの人間ですので、動画映えはとてもするだろうなと思っていました。
- 堀野:社内には本当にたくさんの人がいて、いろんなキャラクターの人がいます。実際に(社員と求職者の方に)会ってもらうのはなかなか難しいんですけど、動画だと市川副社長を介して社員のキャラクターを候補者に見せられると思ったんですよね。うちは30歳ぐらいでも部長になった人もいますし、女性でも思い切り管理職をやっている未経験出身の人もいます。日本人だけではなくて外国籍のコーディネーターもいたりします。
- 堀野:そういういろんなバックボーンを持った人が一つのベクトルに向かって一緒に事業をやっているよ、というところを見せようと思った時に、誰を出すかも割とすぐ決まりました。市川が台本なしで好きに回ってくれたので、あの動画が過去一番よくできたんだろうと私たちは思っています。
- 非常にうれしいですね。
本当に本当の姿。朝から晩まで完全密着した社員2名の動画
- その後に、社員のお二人に密着した動画もありました。事業内容がなかなか伝えづらい中で、仕事の実態が分かる動画になったと思うんですが、あれはいかがでしたか。
- 堀野:未経験の方々に、まず人材会社ってどんな会社なのかを伝えたいなと思ったんです。ただ、うちは一般的な人材サービスだけではなくて、業務委託事業というものをやっていて、この「業務委託」という言葉は、今の時代だとフリーランスみたいに捉える人も多い。社内の人間にしか分からない言葉になっていたんだろうなと思っていました。
- たとえば商業施設のインフォメーションカウンターとか、お店の販売代行とか、そういうものを「業務委託事業」と呼んでいましたね。
- 堀野:弊社にとっては一番の武器になっている業務委託事業を一番求職者に届けやすいのがこの動画だろうなと思ったので、まずは業務委託事業を撮ろうというのはほとんど迷いがなかったですね。男性の管理職の若手グループ長に1日密着してもらって、仕事内容や社内の人間関係が映し出されて非常に良い仕上がりでした。
- 堀野:次に、私たちの根幹になっている人材派遣事業をお見せしたいなと。人材派遣については、業界・業種未経験で、しかも女性でも営業で頑張っているよ、と伝えたかったんです。ノルマノルマしてるわけでもなく、新規開拓で飛び込むわけでもなく、既存のお客様や働いているスタッフさんを大事にしながら、営業経験も人材業界の経験もない人が、3年目でもエースの立場で活躍している。そういう先輩像を見せられる動画になりました。
- その後、女子会の動画もありましたよね。若手3人で飲みながらディンプルを語るような企画でした。普段は聞けない声も撮れたんじゃないかなと思うんですが、堀野さん的にはどうでしたか。
- 堀野:僕はもうちょっと派手にやってほしかったんですよ(笑)「喫茶店に行くわけじゃないんだから、居酒屋にお酒飲みに行くんだから、放送ギリギリでいいよ、ぶっ込んでいいから」とよく言ってたんですけど、割と真面目でしたね。
- 堀野:ただ、出来上がった動画はあれで良かったと思います。本来聞けないこと、言えないことをもっと言ってもらって、お酒を交えて1年目から3年目ぐらいの若手のリアルな声が届けられたんじゃないかなと思います。
- 実際に動画を導入して、採用面ではどんな変化がありましたか?
- 堀野:数字で言うと、かなり大きな変化がありました。動画公開後に採用した約30名の方にアンケートを取ったところ、全員が「動画が入社の後押しになった」と回答しています。また、約7割の方が「会社の社風・風土・カルチャーが伝わった」と答えてくれました。これは、まさに一番伝えたかった部分だったので、正しく届いたことが嬉しかったですね。
- 採用コストは変わりましたか?
- 堀野:採用単価は、約70%削減できています。エージェント経由の採用比率も、以前は9割でしたが、今は1割程度まで下がりました。ほぼ自社採用に切り替えられた、という感覚です。
- 採用動画だけではないかと思いますが、すごい効果…
- 動画は、どのタイミングで活用していたんですか?
- 堀野:そうですね。制作した全ての動画をダイジェスト版とフルバージョン版で持っていて、コーポレートサイトにも入れていますし、今はInstagramにも切り張りして置いています。
一番採用活動で使ったのは、ダイレクトスカウトと採用サイトですね。スカウトを送るタイミングや一次面接のタイミングではダイジェスト版を送っておいて、最終面接に進む時にはフルバージョンを送っておく。ぜひ見てから面接に臨んでほしいということで、よく送っていました。
- 公開後、想定外の効果はありましたか?
- 堀野:ダイレクトスカウトや一次面接の前後では、ダイジェスト版を。最終面接前には、フルバージョンを必ず見てもらっていました。特に社長インタビューの動画は「これを見てから面接に来てほしい」と伝えていましたね。トップが何を考えているのか、どんな人なのかを、事前に知った上で面接に来てもらえる。これは、ミスマッチ防止という意味でも、すごく大きかったです。
- 吉開:社内向けの効果が大きかったですね。新しく入った社員が、「動画で見た副社長だ」と認識した上で話しかけたり。他拠点や他部署の雰囲気も分かるので、社内のリテンションやエンゲージメントにもつながっていると感じています。
- 堀野:採用目的で作った動画でしたが、結果的に社内コンテンツとしても機能したのは、大きな副産物でしたね。
- 改めて、採用動画をつくってよかったですか?
- 堀野:間違いなく、やってよかったです。「ディンプルは動画じゃないと伝わらない」それを実感しました。
- 吉開:本当にそう思います。もっと早くやっていてもよかったな、と思うくらいです。